王宮侍女シルディーヌの受難2ー短篇-

 うとうとしかけたころに「着いたぞ」と起こされて、夢見心地な表情のペペロネたちと一緒に侍女寮に戻った。

「黒龍の騎士団長よりも強いのは、この世でただ一人、シルディーヌだけね」

 そう言われたのは翌日の朝食の時。ピクニックのお礼をさんざんされた後に、しみじみと呟かれたのである。

「多分、シルディーヌは近隣国の中でも、最強の人だと思うわ」

 ピンクルの湖での出来事は、シルディーヌにかかれば鬼神の騎士団長でも子犬同然になると、ふたりに認識されていたのだった。


                              
  短篇 終

 
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