最強総長に、甘く激しく溺愛されて。 - RED KINGDOM -
だめ、泣いちゃだめ。


「チャンるな、あと3歩先に段差あるから気をつけて」

「っあ、うんありがとう」


ライトで足元を照らして、高くなった床にぴょんと飛び乗った。


「ねえ。もうずいぶん歩いた気がするけど、私たちどこに向かってるの?」


直後、立ち止まった三好くんの背中に激突してしまう。


「わ! ごめんねっ」

「……。初めて見たときからずいぶん呑のん気き な子だとは思ってたけど。まさか、わかってないの?」

「ええ、だって4階に着いたら三好くんにこのカードを渡せって言われただけなので」


って、そういえば。
怜悧くんに握らされた真っ赤なカード、まだ渡してなかった!



「ごめんなさい、忘れてた。このカードを三好くんに渡さなきゃいけないんだった」

差し出すと「ああ、それね」と言いつつ、受け取ろうとはしない三好くん。



「チャンるなが持ってればいいよ」

「なんで?」

「それ京町のルームキーだから」

「……っ! 怜悧くんの、部屋!?」
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