苺にはもうなれない




スマートフォンの画面を覗く。

夜の8時になる頃。


「ごはん、食べなくちゃ」


そう言いつつ、料理する気も起きなくて。



私はまた玄関で靴を履き、外に出た。






……どこに行こう?

何か食べに行こうかな?

でも、なんだか何も欲しくない。



ふらふら歩いていると、近所の公園にたどり着いた。


夜の公園は寂しい。


なんとなく、怖い。


でも今はその寂しさに惹かれて、私は公園の中に足を踏み入れた。





広い公園で、遊具の他にランニングコースもある。


芝生に座っているカップルの隣を通り過ぎて、私はジュースの自動販売機の隣のベンチに腰掛けた。




ぼんやりと、夜の空を眺める。


星が静かに光っている。



東京の空は星が見えないって誰かが言っていたけれど。


他の土地の星空を知らない私には、その言葉の意味がよく分からない。



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