苺にはもうなれない


リビングのすみっこに置いてあるくまのぬいぐるみで遊び始めたマーチとポルカを見て、深雪さんは少しだけ深呼吸した。






「あの、あのですね、優大くん」

「はい?」

なんか緊張してる?


「マーチとポルカが……」
深雪さんがまた深呼吸する。

「何かあったんですか?」
少し不安になってくる。



「……お姉さんになります」





「……えっ?」





一瞬、その言葉の意味が分からなかったけれど、すぐに理解した。





「えっ!?」





「あの、あの、あの……!家族が!!増えます!!!」
そう言って、深雪さんが自分のお腹に手をあてた。





嬉しくて、泣きそうになった。






深雪さんはそんなオレをぎゅうっと抱きしめて、
「優大くん、ありがとう。大好きです」
と言ってくれた。




「オレも、大好きです」




背中に腕を回して、オレもぎゅうっと抱きしめた。





オレの大切な、苺みたいな人を。















       〈完〉



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