地味子な私が猫被りな御曹司と無表情な同級生に溺愛されています。
教室がざわついているとちーくん…神谷くんが教室に入ってきた。

すると男子は神谷くんの周りに集まってコソコソと話し始めた。

少し経つと神谷君がこちらを見た。神谷君は驚いた顔をしてこっちに歩いてくる。

「ま…や…。なのか?」 

「?何が?」

そんなに今日の格好は変だろうか?

いつも通りの制服にいつも通りの長い髪。そしていつも通りのメガ…あれ?わ、私、メガネ付けてない!

私は注目されていた理由が分かった。

「あ…えっと…」

「……ちょっと来い。」

「へ?」

私は神谷くんに腕を引っ張られ教室を出た。 

「あ、あの…どこに行くの?」

そう聞いても神谷くんは、無視をして歩き続けている。

どこに向かってるんだろう…

少し歩き、着いたところは屋上だった。

こんなところで何がしたいの?

「お前…なんでメガネ取ったんだ?」

ついていきなり言われたのがその言葉だった。

メガネ?

「別に…朝、急いでて付け忘れてただけ。」

そう言うと神谷くんは考え込むように下を向いた。

何がしたいんだろう…

「あの…神谷くん。」

私がそう呼ぶと神谷くんは顔を上げた。

っ!

神谷くんの表情は悲しそうな、寂しそうな様子が見受けられた。

なんで…そんな顔を?

「……もう。」

神谷くんはゆっくりと、話し始めた。

「…あだ名で呼んでは…くれないのか?」

……え?

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