地味子な私が猫被りな御曹司と無表情な同級生に溺愛されています。
びっくりした…。急にジッと見られたら恥ずかしい…
「わ、私みたいな顔を見ても何もありませんよ…」
「そんなことない。やっと近づけたんだ。」
近づけた?
「もう…遠くから見てるだけは嫌だ。」
「え?あ、会ったことありました?」
華杉くんと喋ったことないような気がするんだけど…
「…あるよ。」
そう言った華杉くんは私を愛しそうに見つめた。
会ったことないのにどうして私にそん
な目線を向けるの?
私は必死に思い出そうとするがやっぱり何もわからない。
「ごめんなさい…やっぱり思い出せなくて…」
私は申し訳なさで下を向いた。
「……別にいい。覚えてないんだろうなとは、思ったから。」
「ほ、本当にごめんなさい…」
どうしよう…申し分けなさすぎて顔が上げられないよ…
「……1個言うことを聞けよ。」
あ。それなら少しは申し訳なさも減るなぁ…
「わ、私ができることなら何でも言ってください。」
「じゃあ、名前で呼んで。」
な、名前…?そんなことでいいの?
私がぽけーっと見つめていると
「不満?」
と、言われた。
「い、いえ…」
下の名前…確か…