地味子な私が猫被りな御曹司と無表情な同級生に溺愛されています。
「で、どっちも違うから…気に入った。」
「き、気に入った?……あ、ありがとうございます?」
「絶対意味分かってないでしょ~」
「はい。分かりません。」
「ブハッ!…素直すぎでしょ…」
えぇ?正直なのがダメなんですか?何がダメなのかよく分からない…
「や、八坂さん!」
「ん?どした?」
「い、至らない点があったら言ってください!」
「え~?なんで?」
な、なんで?そ、それは…
「や、八坂さんのお嫁さん修行…ですかね?」
私はふにゃっと笑って冗談っぽく言った。
「……あ~…まじか…」
「八坂さん?」
「今のは君が悪いよ?」
「えぇ?な─」
何がですか?そう聞こうとしたときだった。
八坂さんに肩を押されてソファーの上に押し倒されてしまった。
「……や、さかさん?」
「悪い子にはお仕置きだよね…」
八坂さんは悪い顔で笑っていた。
な、何これ…どういう状況?
私がぽけーっと八坂さんを見つめていると八坂さんの顔が近づいてきた。
わぁ…やっぱりかっこいいなぁ~……じゃなくて!なにされ─
チクッと首元に痛みが走った。
「んっ…」
な、何今の…
「や、八坂さん?」
「どーしたの?」
「何したんですか?」
「え…分からない?」
私は肯定の意味でコクンと頷いた。
「…ここまで純粋だと凄いね…」
???
私はますます訳が分からなくなった。