地味子な私が猫被りな御曹司と無表情な同級生に溺愛されています。
気分を損ねた私はさっさと支度を済ませ部屋を出た。
「あれ~?もしかして怒ってる?」
「怒ってないです!」
「怒ってるでしょ?」
「そんなことないです!」
部屋を出た私を瑠斗さんが一歩後ろから付いてきた。
私はそんなことは気にせず早歩きで玄関に向かった。
「玄関分かるの?」
「来るときになんとなくで覚えました。」
「記憶力すごいね~」
「お世辞は結構です!」
玄関に着いた私はスリッパを脱ぎ扉に手をかけた。
すると後ろに引っ張られた。
「きゃぁっ!」
「ごめんね。」
私は後ろから抱きしめられているのだと理解した。
「…お、怒ってないです!」
「本当に?」
「…ちょっと怒りました。」
「本当に正直だなぁ~」
うぅ~早く離して欲しい…こういうのあんまりなれてないのに…。
私は、恥ずかしくなり腕の中から出ようと抵抗し始めた。
「離してください…」
「…いやだ?」
そう言った瑠斗さんの声があまりにも寂しそうで私は首を横に振ることしかできなかった。