STRAY CAT Ⅱ
「寂しいですか?」
上着を首元に引き寄せていたら尋ねられたそれに、何故かどきりとしてしまった。
……うん。きっと、そうなんだと思う。
「好きだから、離れたくないんです。
恭がそう思ってくれてるのは本当に伝わるし、わかってるつもりだけど……」
それ、でも。
連絡が来ないことや、いつものような甘い会話がないこと。シンシンと雪のように積もってはわずかに溶けて、けれど溶けきるよりも早く、また積もって。
「寂しい……」
2年も別れて、離れてたのに。
すこし距離を置いてる今の方が、よっぽど寂しい。
いつもみたいに、好きって言ってよ。
わたしのこと抱きしめて、キスしてよ。
「お嬢様、三が日はお時間ございますか?」
「え。……あ、はい。
蒔と過ごそうと思ってたくらいで、特に予定は……」
果歩とは冬休みに遊ぶ約束をしてるけど、三が日は避けたし。
リカちゃんも三が日を過ぎて冬休みが終われば、研修旅行に行ってしまう。その支度もあるだろうし、たまり場に行けば会えると思っていたからあえて誘わなかった。
……たまり場、いまは行けないし。
「では、もし良ければ私にお時間頂けます?」
「え……黒田さんに?」
「はい。余計なことを考える時間がもったいないので、一緒に過ごしませんか?
……ご心配なさらずとも、手を出したりはしませんので」


