ひみつというほどのことでもないこと。




「どうやったらバレないと思う?」

「クズでアホな先輩にできるアドバイスはありません」

「ひどい言い草だなぁ」


この最低な男が、もう浮気しないと決意する瞬間は来るのだろうか。
可愛い後輩としては気になるところである。


「もう時間じゃん」と言いながら慌てて着替え始める先輩から目線を外して、オムライスの続きを食べながら、以前、どこかで見た情報を伝える。

真実かどうかは知らないけれど、あながち間違っていないと思っている。


「女って、嘘を真実にしちゃうらしいですよ」

「どういうこと?」

「嘘でも、それが真実だって、自分で思い込むんです。自分さえも欺いちゃうからバレないって聞いたことあります」

「まじで?お前もそうなの?」

「さぁ?どうでしょうね」


着替え終わった先輩が、私を見ながら「女って怖いわ」と呟く。

真面目で一途な人間になれば、何も怖いことないと思う。


「いい加減、一途になれる相手と付き合うほうが懸命ですよ」

「え〜じゃあ、お前が付き合ってよ」

「いやですよ」





こんな人、好きじゃない。







< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop