本当の君を教えて
「嫌じゃないよ!でも、男の人と2人ってなんだか緊張するなって……」


「は?」



私の言葉に龍崎くんは少しだけ目を見開く。



どうしたのかな?



「はァ……そういうこと言うか…?」


「え?」



ホントにどうしたんだろう…



「なんでもねぇよ。とにかく帰るぞ」



そう言うとズカズカと歩き出してしまう。



「あ、待って…!」



歩幅が全然違うから同じように歩いてても当然私の方が遅いわけで……



その度に龍崎くんは立ち止まって振り返り私のことを待ってくれる。



顔は面倒くさそうな感じだったけど…



どれだけ昔と違っててもやっぱり龍崎くんは優しい人なんだなって言うのが凄く伝わってくる。



思わず頬が緩むと怪訝な顔をされてしまった。

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