天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
八咫烏一族は最低ではないにしろそこまで身分は高くない。
「明日は新夜祭で皇太子にお目通りするんだぞ。白蘭!お前は自覚が全く持って足りん!一刻の間、跪いて反省しろ」
そして衣の袖を翻して屋敷へ入っていった。
「…兄上」
「ん?」
「兄上は罰を貰ってません。どうぞ屋敷の中に」
「…ああ、そうだな」
隣に同じく跪いている兄上は少し考えた後、立ち上がって屋敷に入っていった。
「…ふう」
さすがに夜は冷える、ここに一刻の間か。
覚悟したとき兄上の気配がして肩に羽織がかかっていた。
「お前だけ残していけるわけないだろ。」
「ふふっ。兄上はいつも助けてくれますね」
「あたりまえだ。妹だからな」