フォンダンショコラな恋人
「んー、でも一応……ね」
「じゃ、ノンアルだな。ソフトドリンクにしとくか」

持ってくるから座ってろ、と言われる。
普段は隼人はそんな風には言わないタイプなので、やはり浴衣の翠咲に気を使ってくれているのだろうと思った。

ふと、そう言えば倉橋はどうしているのだろうか、と思ったら倉橋は浴衣の女性に囲まれていた。

隼人や翠咲のように、お客様の対応で社員が何人か出ているから、その女性達が倉橋を囲んでいるようだ。

まあモテて、大変よね……。
そんな風に思って、ふーん、と見ていると倉橋と目が合う。

倉橋は軽く目を見開いた。

「翠咲、ウーロン茶でいいか? なんなら、俺のビールちょっと飲むか?」
「ありがとう。ウーロン茶でいいよ」

ウーロン茶の入ったカップを受け取ろうとすると、その手をつかまれた。

倉橋が無表情に翠咲を見ている。
「倉橋先生」
「いつの間に浴衣?」
「あ、後輩が貸してくれて……」

「倉橋……先生?」
営業社員では顧問弁護士との接点はあまりなく、隼人は誰?という顔をしている。
< 114 / 231 >

この作品をシェア

pagetop