フォンダンショコラな恋人
「細っそい。吹いたら折れそう」

倉橋は危うく、飲みかけたビールを噴き出しそうになった。

一応、時間がある時はジムとか行ったりしているんだがな。
食べても太らないのは体質だ。
吹いたら折れそうはないだろう。
それはすでに悪口ではないのか。

「別人、よね?」
「……ですね。身長どれくらいです?」
話し相手の彼女も人違いにやっと気づいたようだ。

「175センチ前後かなぁ。佐野さんとは対極みたいな人だよ?」
「宝条さん、それ絶対別人ですよ」
「そういう事かあ……」

2人は納得しているようだが、倉橋は何だか納得いかない心地だ。

けれど、こんな風に自分のことを第三者的に聞くことはないので、そのままそこで話を聞くことにした倉橋である。

「確か、私が知っている顧問弁護士さんは、以前からの先生のご子息で、若先生だと聞いています。今はその若先生が、事務所を継いでらっしゃるはずですから、事務所の他の先生が来ていらっしゃるのかも知れませんね」

「なんか、すっごく冷たくあしらわれたわ。話にならない、に近い感じよ」
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