フォンダンショコラな恋人
案件のチェックを済ませ、手続きの準備を進めていく。

法務局への申請や裁判所に提出して欲しい書類などを整理していると、渡真利がやって来る。

「おーす」
「おはようございます」

「なんか、ある?」

「そうですね。先日の山野コーポレーションさんの契約の件ですが、起案はできているので、一度確認していただけますか。あと別件ですが、こちらが裁判所に提出する資料です」

「ああ、早いな」
所長である渡真利に最終的な確認をしてほしいことをまとめてこの時間に確認してもらい、決裁すべきものは決裁してもらう。

「あ、倉橋、今日日中少し時間を空けてもらえるか?」
「何時くらいです?」

「14時くらいだ。訴訟案件が入りそうなんだ」
「空けます」

弁護士である以上、訴訟案件は最優先と倉橋は考えている。

「今担当してもらっている企業宛に訴状が届いたから。今日はその打ち合わせだ。お前、対応してくれるか?」

「もちろんです。どこですか?」
その企業名を聞いた倉橋は驚いた。
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