【短】お前が誰のものか分からせてやるよ。
「よく言うわー、腹立つ!!あ、すいません、芋焼酎ロックでお願いします。瑠衣は?」
「俺も同じものを。あと、枝豆も欲しい」
店員の若いお姉さんが、瑠衣を見て顔を赤くするのはいつものことだから慣れっこ。
「はい、すぐお持ちします!」
店員が高いトーンの声で注文を受け、去っていったのを確認してからこっそりと溜息を吐く。
この店はサラリーマンが多いからそうでもないけれど、彼と飲みに行くと周りの女性の視線を浴びるのはいつものこと。
たまに、私が居ても相席がしたいと女性客に声をかけられることがある。どれだけモテるのよ、この男は。
その度に瑠衣が、「今は友達と一緒だから」や「そういう気分じゃない」と断ってはくれるけど、女性たちからなんでこんな女が、と言いたげに睨まれるこちらの身にもなって欲しい。