(仮)愛人契約はじめました
 かと言って、この人、箱入り息子という雰囲気ではない。

 どちらかといえば、ネズミの群れの中の虎というか。

 王者の貫禄みたいなものが蓮太郎にはあった。

 ネズミな唯由は、虎な蓮太郎に王様ゲームのルールを説明して差し上げる。

 すると、蓮太郎は深く頷き言った。

「つまり、選ばれし者は選んだ下僕に、なんでも言うこと聞かせられるということだな」

 ……なにかこう……。

 あなたの口から王様ゲームを語られると、楽しいゲーム性を廃してしまったような。

 空恐ろしい雰囲気が漂うのですが。

 絶対に、この王様っぽい虎の人を王様にしてはいけないっ、と唯由は思った。
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