(仮)愛人契約はじめました
「しかし、なんでも願いを叶えてくれるとは、王様と下僕というより、魔法のランプだな」
「いや、なんでもは叶えませんよ……」
でも、魔法のランプとは、意外に可愛いこと言うなと唯由が思ったとき、蓮太郎が呼びかけてきた。
「おい、魔法のランプ」
どっちかと言うと、ランプの精かと思いますね。
「みっつの願いのうちのひとつめだ」
「……何故、増えました」
おそらく、魔法のランプという言葉に引きずられてしまったのだろう。
だが、まあ、所詮は酔っ払いの戯言。
たいしたことは言ってこないだろうと唯由は高をくくっていた。
何故なら、蓮太郎はコンパの最初から最後までハメを外すこともなく、綺麗な食べ方で食事をし。
きちんとしたおうちで育てられたんだろうな、という雰囲気を醸し出していたからだ。
三回まわってワンと言えと言われても、ワンと言おう。
それで済むのなら、と唯由が覚悟を決めたとき、蓮太郎が言った。
「では、ひとつめの願いだ。
お前、俺の愛人になれ」
食べ方もしつけも、なにも性格には関係なかったようだ……。
王様の声が反響する静かなシャッター街で、唯由はぼんやり、そう思っていた。
「いや、なんでもは叶えませんよ……」
でも、魔法のランプとは、意外に可愛いこと言うなと唯由が思ったとき、蓮太郎が呼びかけてきた。
「おい、魔法のランプ」
どっちかと言うと、ランプの精かと思いますね。
「みっつの願いのうちのひとつめだ」
「……何故、増えました」
おそらく、魔法のランプという言葉に引きずられてしまったのだろう。
だが、まあ、所詮は酔っ払いの戯言。
たいしたことは言ってこないだろうと唯由は高をくくっていた。
何故なら、蓮太郎はコンパの最初から最後までハメを外すこともなく、綺麗な食べ方で食事をし。
きちんとしたおうちで育てられたんだろうな、という雰囲気を醸し出していたからだ。
三回まわってワンと言えと言われても、ワンと言おう。
それで済むのなら、と唯由が覚悟を決めたとき、蓮太郎が言った。
「では、ひとつめの願いだ。
お前、俺の愛人になれ」
食べ方もしつけも、なにも性格には関係なかったようだ……。
王様の声が反響する静かなシャッター街で、唯由はぼんやり、そう思っていた。