(仮)愛人契約はじめました
「……お前も知り合いか。
 あいつはどんだけ顔が広いんだ」
と蓮太郎が呟いている。

「そういえば、森村さんって、雪村さん側のコンパの人とも、自転車の人たちともお友だちだったんですよね?」

 そう言う唯由に正美が訊いた。

「前から気になってたんだけど。
 自転車の人って誰よ」

「うちの近くに住んでる人だよ」
「俺がたまに呑みに行く相手だ」

「……名前は?」
と正美に問われ、蓮太郎と二人、顔を見合わせる。

 ……素朴な疑問だ、名前か。

 二人の間では、もはや『自転車の人』というニックネーム(?)で定着していた。

 蓮太郎がスマホを取り出す。
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