政略懐妊~赤ちゃんを宿す、エリート御曹司の甘く淫らな愛し方~
 そして最後に大きく足を開かれ、一番敏感なところに彼は顔を埋めた。

「航君……っ! 待って」

「待たないよ。出来るだけ千波に痛い思いをさせたくない」

 そうなのかもしれないけど、そんなところを舐められるなんて顔から火が出るほど恥ずかしいよ。

 必死に足を閉じようと抵抗してみるものの、航君の力に勝てるわけもなく熱い舌の感触に翻弄されていく。

 音を立ててトロトロに融かされ、ただ快楽の波に呑まれてしまう。

「もう大丈夫そうだな」

 指で自分の唇を拭う姿でさえカッコいい。なんて思っている間に彼は着ている服をベッドの下に脱ぎすてた。

「痛かったら言ってくれ。……止めてあげられる自信はないけど」

 付け足すようにボソッと言って、ゆっくりと彼が私の中に入ってきた。

 押し広げるように入ってくる感覚がまだ慣れない。でも昨夜ほどの痛みを感じることはなかった。

「大丈夫か?」

「……はい、大丈夫です」

 私の返事を聞き、航君はホッとした顔を見せた。

「よかった」

 ギュッと抱きしめられ、胸がいっぱいになる。

 気持ちが通じ合えただけで、こんなにも幸福感に包まれるなんて知らなかった。

 順番は逆になってしまったけれど、初めてを捧げて結婚したのが航君で本当によかった。きっとこの想いは、彼とともに過ごす時間が増えるたびに大きくなっていくだろう。

 好きな人が自分を好きになってくれることは奇跡に近い。それも相手が航君だ。……きっとこの想いは最高の奇跡に違いない。

 なんてちょっぴりロマンチックなことを、スヤスヤと気持ちよさそうに眠る彼の寝顔を眺めながら思っては、クスリと笑ってしまった。
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