政略懐妊~赤ちゃんを宿す、エリート御曹司の甘く淫らな愛し方~
 それだけで十分だった。反対に頑なに千波のことを認めないと言い張る両親に、俺は説得することを諦めた。

 千波はまだ俺のことを好きではない。俺だって大人になった千波と会ってからわずかしか経っていないし、心から愛しているかと聞かれたらイエスとは答えられない。

 だからまずは俺たちが互いを知り、本物の夫婦となれば両親も納得して千波を認めてくれると思うんだ。

 そのためにも入籍までの約一ヵ月、千波との距離を少しずつ縮めていった。それは入籍をして身体を重ね、一緒に暮らしてからも。

 俺は千波との時間を積み重ねていくたびに好きになっていった。今では千波のいない生活は考えられないほどだ。

 それは多少なりとも千波も同じ気持ちでいてくれると感じられた。もっとこの気持ちが確かなものになった時に、本当は幼い頃に出会っていて、千波は俺の初恋だと伝えよう。そう思っていたが……。

** *

 気持ちよさそうに眠る千波の寝顔を眺めながら、頭をよぎるのは彼女に言われた言葉。
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