政略懐妊~赤ちゃんを宿す、エリート御曹司の甘く淫らな愛し方~
 幼い頃の母の話だったり、私と瑠璃の幼少期の話だったりと話題は尽きず、楽しいひと時を過ごすことができた。

 航君も航君で、入院中は瑠璃が頻繁に彼の病室を訪れては、質問責めにあいながらも仲を深めたよう。

 さらに驚いたのは、お見舞いに来た佑志君がなんと一目惚れしてしまったそうだ。佑志君は足繁く航君のお見舞いを口実に病院に通い、瑠璃との時間を重ねていたらしい。

 瑠璃もまんざらでもないようで、佑志君のことを「お義兄さんと同じくらいカッコいいし、優しくて素敵な人だね」なんて言っていた。

 それを聞いて私と航君は、これからも定期的にふたりが会えるように協力しようと話した。

 航君が退院できたのは、怪我を負った日から二週間後。入院中から病室で仕事をこなしていた彼は、退院後すぐに仕事に復帰。

 私もふたりで暮らすマンションに戻って、元の日常を取り戻した。

神屋敷さんとは航君の間で示談が成立。その条件として今後いっさい私たちに関わらないことを約束させた。そして事件をきっかけに神屋敷ホテルは経営難に陥り倒産。社長は退陣し、一家で田舎に引っ越したと聞いた。
< 210 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop