政略懐妊~赤ちゃんを宿す、エリート御曹司の甘く淫らな愛し方~
 つらいのは、私だけじゃないの? そうだよね、だって航君は私のことを気遣いながらすごくゆっくりと入ってきている。それってもしかしたら男の人にはすごく苦しいことなのかもしれない。

 そう思ったらこの痛みにも我慢できそうな気がしてくる。

 彼の大きな背中に腕を回し、必死に航君を受け入れる。

 次第に汗ばむ素肌。奥まで私の中に入ると、航君はそっと私の頭を撫でた。

「よく頑張ったな」

 そう言って顔を上げた彼の額には汗が光っていた。

 やっぱり航君もつらかったんだ。それなのに私のことばかり気遣ってくれたなんて……。

 愛しい気持ちが込み上がってくる。

「本当はここで終わりにしてやりたいけど、ごめん無理だ」

「えっ? あぁっ」

 激しく打ち付けられ、与えられているのは痛みなのか快楽なのかわからなくなる。

 そのスピードは速さを増し、奥深くを突かれた瞬間、私の中で彼が大きく脈を打つ。

「千波……千波」

 荒い呼吸で私の名前を何度も呼び、貪るようなキスをされた。私の息もすっかり上がっていて、急激な眠気に襲われる。

 彼が出ていくのを感じながら目を閉じたら、航君がそっと囁いた。

「やっと俺のものになった。……もう絶対に離さないな」

 独占欲を露わにした言葉に耳を疑いながら、私は眠りに落ちた。
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