私は天使に侵されている
親友と忠誠
【来夢ってあんな可愛い顔して破壊的に強いよ】
健悟が言っていた言葉。

そして大学でも来夢は、とても人気者だ。
ユメノ銀行・頭取の息子で、頭が良くて、可愛らしくてカッコいい。
そして大学内では、ファンクラブがある。

美麗をファミレスに送った後、大学に向かうと既に人集りがあり来夢のファンが門で出迎えていた。
「来夢様~!!」
「キャー!!カッコいい~!」

来夢は少し微笑んで、少し手を振った。
「「「キャー!!」」」
ファン達の黄色い声が、大学に響いた。

「うるさい雌…」
微笑んだまま、ボソッと呟いた。
まさかファン達は、来夢がこの天使のような微笑みの中で、こんな暴言をはいてるなんて夢にも思っていないだろう。

「来夢、はよ!」
「おはよ!」
健悟と春作が話しかけてきた。
「おはよう!」
「相変わらず、人気だな!」
「鬱陶しいけどね!」
「鬱陶しいなんて羨ましい悩みだね、来夢(笑)」

「そう?僕は美麗だけに、鬱陶しくされたい。
てか……美麗に関しては鬱陶しいなんて一つもないけどね!」
「「狂ってる…」」
苦笑いをする健悟と春作だった。

「あ、そうだ!」
「「ん?」」
三人はゆっくり教室に向かう。
来夢が思い出したように言った。

「令子、排除したから」

「「………」」
「まさか…殺った…の?」
来夢の淡々とした言葉。
健悟と春作が、ピタッと止まりフリーズする。
そして、恐る恐る健悟が言った。

「ううん。殺ってはないよ!
だからって、無傷でもないけど……
でも、もう二度と…僕の前に現れないようにした」
ガッ━━━━━!!!!

健悟の言葉に、振り向き言った来夢。
次の瞬間、春作に胸ぐらを掴まれていた。
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