たぶん、きっと、すき。

「おう。ゆっくりでいいから。」

 もしかしたらワンチャンさっちゃんの部屋に上がれるかもと期待したがさすがにそれはなかった。

 スマホをいじりながらさっちゃんを待つ。

 心は穏やかだった。

 座ったまま寝たせいで体のあちこちが痛いし、正直眠い。コンディションは最悪だし今から仕事もあるし。

 それなのに心は穏やかだ。

 さっちゃんと距離を縮められて、それで得た体の疲れはなんだか心地の良いものだった。

 さっちゃんは十五分くらいで戻ってきた。

「ごめん、ハル。待ったよね?」

「全然。そんじゃ、仕事行こっか。」

 さっちゃんの荷物を預かるとさっちゃんは申し訳なさそうにありがとうと言った。

 そして俺らは職場に並んで歩いて向かった。









< 24 / 74 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop