たぶん、きっと、すき。

 それなのに嫌な顔一つせず、笑顔でそばにいてくれた。



 ハル。

 あなたは初めから私の欲しい言葉や行動をくれたよね。

 だから、私。

 どんどん弱くなっていったの。



 アルバイトとしてこのお店に入社して早一ヶ月が経っていた。

 だいぶ仕事にも慣れ、なんとか今の所休まずに仕事をすることができている。

 このお店の人たちはみんな他の職場よりもスタッフ同士の距離が近いというか、アットホームだ。

 こんな私でも輪の中にみんなは入れてくれた。

 一番はハルのおかげだと思う。

 事あるごとにハルは私を呼び会話に入れてくれる。

 あれからハルとは仕事があるなしにも関わらず、毎日連絡を取り合っている。急速に仲がふかまっていくような感覚に心が温かくなる。

「おつかれー。」

「さっちゃんおつかれー。」

 先に休憩室で帰宅の準備をしてると、ハルと津本さんが休憩室に入ってくる。二人ももう上がりの時間だ。

「お疲れ様です。」

 ハルはロッカーから荷物をガバッと取り出してから、休憩室のテーブルで帰宅準備をしている私の横にどさっと荷物を置く。

 津本さんは疲れたのか荷物を取る前に席に座り込む。

「さっちゃん明日から一週間連休だよね?帰省とか?」

 ハルが荷物をカバンにしまいなが話しかけてくる。
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