たぶん、きっと、すき。
ーーー……。
私が小学一年生の時、パパとママは離婚した。
原因はママの不倫。
まだ幼かった私はよく分からず、ただわかったのはもう家族一緒にいられないということと、私がママかパパかのどちらかを選択しなくてはいけないことだった。
パパは言った。
『好きな方を選びなさい』
ママは言った。
『ママのところに来なさい。』
私は、パパを選んだ。もともとパパっ子だったし、ママを選んだら転校しなくちゃいけなくて、それが嫌だった。
幼かった私は深く考えられなかった。
ただ、なんとなくで選んだんだ。
そして私はパパと二人暮らしをすることになった。
その直後だった。パパが勤めている会社から転勤を言い渡されたのは。一応自宅から通える範囲ではあったが、今の勤務地よりもかなり遠くなるため、家を開ける時間が必然的に増えてしまう。
まだ小一だった私を置いていくことをパパはネックに思い、仕事を辞めた。
そしてパパはタクシーの運転手になった。
勤務して一年が経ち、私が小二になった頃、パパはタクシー会社をクビになった。理由は売り上げの横領。
でもパパは、やってないっていっていた。だけど、会社の信用を得られずクビは取り消されなかった。
そしてパパは工場の派遣会社に勤めることになった。いつ切られるか分からないという不安の中、パパは必死に切られないよう働き続けた。
しかし、よく熱を出す私のせいで、仕事を早退したり休んだりせざるおえず、それでもなんとか勤めてきたが、私が小六になるころに切られてしまった。