冷徹社長はかりそめ妻を甘く攻め落とす

「瀬川さんは……瀬川さんは……」

「俺?」

「……瀬川さんは、ほかの女性とよく出掛けるんですか? 前にパーティーに行ったとき、女性たちが〝一緒にワインを飲みに行った〟と言っていたので」

ああ、ちゃんと聞けなかった。

「その話か。取引先のワイナリーに顔を出しただけだ。そこにあの女性たちが同席していた気がする」

しかしワインの話が引っ掛っていたのも事実で、あのふたりの真相が明らかになって安堵する。
「そうだったんですか」と息をついた私を、瀬川さんが覗き込んだ。

「それが気になっていたのか?」

「え、ええ、まあ……」

横になっている彼の体が迫り、私の前髪を指で分ける。

「芽衣を悩ませたくはないが、妬かれると浮かれそうになるな」

「妬っ……」

体をねじり、頬を染めて見下ろしてくる瀬川さんに背を向けた。
彼の反応がうれしい反面、ジータの言葉が忘れられず納得がいかない。

「芽衣……」

好きな人は本当に私だけ?




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