冷徹社長はかりそめ妻を甘く攻め落とす





「行ってきます」

翌日、玄関で瀬川さんとジータに挨拶し、私は『くりぃむの森』へ出勤する。電車で十分ほどの距離のため、これまでより通勤もしやすくなった。

今日は黄色のカットソーに茶色のスカートを履いている。
ジータに『なんか変ですよ』と言われたが、ひまわりだって黄色と茶色であんなに綺麗なのだから、これは上下まとまっているはず。ロボットはわかってないな。

見送ってくれた瀬川さんの静かな眼差しを思い返しながら、さらにジータが言ってた『心拍数もえらいことになってます』という言葉を思い出す。
あの様子で、心臓がバクバクいっているはずがない。ジータの勘違いだと思う。

そうだ、きっと私の心拍数と間違えているのではないだろうか。瀬川さんと話すときの私は最近、胸がドキドキと鳴ってしかたないのだ。
昨日初めて笑顔を見て、さらに止まらなくなった。
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