思っていたのと 違うのですか‼︎

  例えば、
家族が1ヶ月もの間、私に何も言わずに海外旅行へ行った小学6年の夏。

これ幸いと、「旅行先で家族が殺され、行かなかった私だけが生き残り」という話と「置いていかれた私が死に残った家族をどうしようか」という話を書かせていただきました。

 学校でも君臨する女王の姉を取り囲む蜂達やみそっかすの私を憐れむだけの教師に言われ放題の学生時代はどんな方法がいいだろうかと妄想した結果、ネタ帳が30冊以上になり生涯ネタに困る事はないだろうと自負しています。

私以外の家族で絵に描いた様な団欒をしていても、そこは名家。

常に使用人がいてご飯を食べ損なう事も、着る服に困る事もなく、入りたい時にお風呂にも入れます。

 プライドを持って働く彼らは、私を虐めたりは致しません。死なない程度にやってくれるなら、ネタになるのにとは思うのですが、そこはプロに失礼だと私なりに敬意を表しています。

  話が逸れてしまいました。


 兄の様に成績優秀な頭脳を持っていなければ、姉の様に誰もが振り返る容姿も持っていない。愛嬌もなければ、二人に勝る他の才能もない。

 優れた経営者の父親と由緒正しい家柄で蝶よ花よと育てられた母親の良い所を全て受け継いだ兄姉と何も残っていない状態で生まれた私では愛情の量が違うのは仕方がない事だと。

 私が男ならば少しは違ったのかもしれませんが、害がなければ、それは仕方がない事だと早々に諦めたのです。

 ぼーっとして何を考えているかわからない。
いてもいなくても変わらない。

頭をフルに回転していても、周りから見れば言い返す勇気もない根暗ちゃん。どんな本を読んでいようと何を聞いていようと友達のいない寂しい子。

 それが私にはちょうどいい隠れ蓑だったのです。


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