思っていたのと 違うのですか‼︎


女将さんは「楽しんで下さい」とゆっくりと微笑みながら言ってくれた。

許可を頂いたので、遠慮なく。
もちろん、人が入らない様に注意します。

お腹も満たされた事ですし、昨日入れなかったお部屋の露天風呂を堪能して、身支度を整える。

旅館の案内図を片手にゆっくり見て回る。

歴史のある建物は、隅々と記録しておかねば。
建物も庭も全て参考になる。素敵です。


ラウンジから見える中庭は一つの風景がの様な美しさ。

ゆっくりと流れる時を感じていると「いた」と言う声が聞こえて、振り向くと沙耶さんが立っていた。

今日はお洋服なんですね。
今流行りの服装で、着物姿とは違う可愛らしさが眩しいです。

「智君に置いてかれたんだって」

なんだか悪意を感じます。

私の斜め前に座ると「で、今からどうするの?」と話し始める。

「ここら辺で見る所って言えば、少し行った所にある彫刻の森美術館か移動して大涌谷か?」

大涌谷!奮起地帯が間近で見られて、黒い茹で卵が食べられるあの大涌谷。

ぜひ行ってみたいです。
一人で行けるでしょうか?

タブレットで検索をかけようとすると

「大涌谷ね。了解。女将に言ってくるから、30分後にロビーで待ち合わせで」と立ち去る。

沙耶さんの背中を見送りながら、
私にわざわざ付き合ってくれるの?なんていい子。

女将さんに続き申し訳ない。ごめんなさい。と心の中で謝った。

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