思っていたのと 違うのですか‼︎

式の無事に終わり、仕事に戻る様に手配する。

新郎の役目だ。

花嫁を新居に送り届けるというので、先に社に戻り会議の支度をする。


「はぁ」

今までに聞いた事のない深いため息に振り向くと、椅子に身を沈めた智がいた。

「お疲れ様です」

式から戻り、今までWEB会議をしていたのだろう。

眉間に手を当てている智に目覚めのコーヒーを差し出す。

 式さえなければ、家で寝れたんですがね、御愁傷です。

「現地に行く事になった。」
「畏まりました」

第二秘書である根津 美紗都(ネズミサト)にチケットの手配を至急要請する。

「何枚ご用意致しますか?」

妖艶に微笑み根津。

自分も行けると思っているのでしょうか?

誰の目から見ても、智に惚れているとわかる。

だが、それは根津だけではない。

大抵の女性は、智を目にすると同じ顔をする。

今の所仕事に支障がないので見なかった事にしておきましょう。

「いつも通りいい」

本人も気にしていない様ですし。

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