関係に名前を付けたがらない私たち
 意味わかんないし、と大笑いしたものの、その予言もまんまと的中することになった。

 予言と予想がどう違うのか、それは大魔神と大王ばりにわからなかったけれど。ただ、耕平とのセックスは、テクニックが、とか、そういう意味ではなくて、肌が合うと言えばいいのか、抱き合うことが何だか自然に馴染むような心地いい感覚だった。

 耕平から予言されたわけではなかったけれど、1999年の春、私たちは何となく付き合うことになった。

 というより、耕平の部屋にそのまま私が暮らすことになった。

 理由は「大王が怖いから」という馬鹿げたもので、当時の私は本気で大王を恐れていた。

 どうかしていたとしか思えないけれど、耕平を好きだった気持ちは結構純粋なものだったと思う。
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