朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「それに、学芸員は本気で目指してるの。
就職先に空きがないのはよくわかってるんだけど、日本全国どこの美術館でも博物館でもいいから、空きがあれば試験を受けてみるつもり」

「……」

「そういうわけだから、彼氏は必要ないのよ。
むしろどこにでも行けるように、身軽にしておきたい」

「……じゃあ、俺とも付き合えないってことだよな?」

「違う違う。だから誤魔化せるってことだよ」

「誤魔化せる……」

「『私達、付き合い始めたの!』って2人に公表しても、私の学業が忙しくて、なかなか会えないってことにしておけばいいんじゃない? 不自然じゃないように、何回かは日曜日に会ったりしないといけないかもしれないけど」

「……そんなに上手くいくか?」

「別に上手くいく必要はないでしょう。
偽装なんだから」

「……? 意味がわからん」
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