朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「いや〜お似合いだな。
美男美女のカップルだ。
京くん、大切で仕方ないって感じだね」

「当然です。
泉はこんなに綺麗なのに、さっきみたいに変な虫がついたら大変だ」

「その割に……」

「なんですか?」

「……いや、泉さん虫除けしてないよね?」

「はい? ……オフィスでは蚊も出ませんし、あまり必要ないかと…?」

なぜここで蚊の話が出てくるんだろう。
部長も変わったことを言うなぁ…と、泉と目配せしていると、部長が急に笑いだした。
なんなんだ?

「……虫除けっていうのはね、そっちの虫除けじゃなくて、これのこと」

そう言って、自分の左手を右手で指さした。そこには結婚指輪が。

「「あ……」」

「僕だったら、こんなに可愛いのに、虫除けも無しに放置できないなぁ」

マジか……
なんで俺、今までそんな事も考えられなかったんだ??
プレゼントは手作りじゃないと!
と思い込んでた。

だから毎年渾身の作のフィギュアをプレゼントしてたのだが……。

え、俺、違ってた!?
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