朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
泉が女の子達と遊び出してから、真は俺の家に遊びに来ることが多くなった。
何故俺の家なのか…。
それはうちが入り浸りやすい環境にあるからだった。

俺の家は本邸の横にはなれが建っている。
このはなれ、元々は父の祖母が住んでいた。亡くなった後は、幾度かリフォームし、父やその姉が、大学入学から結婚するまでの一人暮らしの期間を過ごしてきた。本邸とは完全に独立しているので、友達を呼んでも本邸にいる両親に気付かれることはない。

現在の長谷川家には、一人息子の俺しかいないので、ここは中学に入った時から俺のものになっている。

そして、このはなれこそが、俺の作業場。フィギュア製作とコレクションのためのアトリエなのだ。

真が入り浸るようになって、コレクションは隠しておくことが不可能になった。
コレクションの8割がイズミ、というショーケースを見て、親友は盛大にドン引きしていた。
しかし次の日には慣れて、愛おしそうにフィギュアを愛でていた。

わかってはいたけれど、こいつはなかなかのシスコンだった。
< 501 / 517 >

この作品をシェア

pagetop