朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
そんな俺のショーケースを見ながらの今の発言。

「何も間違えてないだろう? 
フィギュア製作は俺の趣味だ。生き甲斐だ。
頑張って当然だ。全力で作ってるぞ」

「いや、そうじゃなくて……」

「ああ、俺達の数が足りないか?
よし。なら、次はシンとユリウス・ケイも増やしてやるよ」

「違う。方向性が違う。誰もそんなこと頼んでない」

「……? じゃあなんだよ?」

「あのさ、もうすぐ俺達卒業だよな?」

「中学のな。それがどうした? 
進級するだけで環境は変わらないだろう?」

聖堂館学園は一貫教育だ。メンバーはほとんど変わらない。1クラス分だけ、高校入学組が増えるだけだ。

「たしかに、メンバーはほぼ変わらない。
けど……違う方面では、かなり変わると思うぞ」

「……? まあ、確かにそうだな」

高校からは、大学進学に向けてコース分けが始まるからな。今までのようなクラス分けじゃない。国公立大クラスが文理に分かれ、私立大クラスも同じように分かれる。さらには芸術コースと新たに入る高校組にも分かれるはずだ。
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