朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
ラテアートを希望されたのだろうか。
真が可愛い猫のお顔を描いている。
フフフ……すっごく真剣な顔。
猫背気味な真だけど、さらに丸くなっている。
私達には全く気付いていない。

「うっわ! にーちゃん腕上げたなぁ〜!!」

と、完成した瞬間を狙ってか、宣が声をかけた。

「宣!? お、お前……こんなところで何してんだ……え?」

そこで初めて目の前にいる私達に目を向けた。

「泉に環まで…」

「お兄ちゃん、サマになってるじゃん」

「お前達……来るっていってなかったじゃないか」

と、私を睨んでくる真。

「え? お母さんから聞いてなかったの?」

「フフフ……家族で突撃職場参観よ。
言ったら真、構えちゃうじゃない。
元々、お父さんとドライブがてら2人で来ようと思ってたんだけどねー。環達が一緒に行くって言うからさ。お母さんも、まさか泉まで来ると思わなかったのよ? デートだと思ってたから」

「愛、真は仕事中だから…」

とお父さんが間に入ってきた。

その通りだ。仕事中に身内が来たからって、私語はダメだよね。
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