朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「畑中さん、これ頼みます」

そう言って、真が、出来上がった猫のラテアートをアルバイトの女の子に渡した。

「店長、休憩に行ってきます」

「ああ、行っておいで……
あれ? 副社長!?」

真と同じ黒エプロンをつけた、店長と思われる30代後半の男性が、父を見つけて驚いた声を上げた。
そりゃ、突然副社長が現れたら驚くよね。

「佐々木さんお疲れ様です。
突然お邪魔してすみません」

「いえいえ……あ、だからか。
珍しく真くんがリザーブしてたの。
ご家族のためだったんだね。
それにしても、噂には聞いていたけど、副社長のご家族は本当に仲が良いんですね。大人数で来ていただいて……
真くん、せっかくだからゆっくりしておいで」

「……すみません。助かります。
上にいますから、何かあったらすぐに呼んでください」

「はいはい。いってらっしゃい。
今日はバイトも多いし、余裕でまわせるよ。
……指名がかからなければね。
副社長、どうぞごゆっくりしていってください」

「ああ。ありがとう」
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