愛するあなたへ〜blue roseを私にください
電話が終わってから直ぐに、曽根さんが席に来てくれた。
「お待たせ!ここで数件だけ見させて」
曽根さんは座っている私の横に手を伸ばして、パソコンを操作し、数件チェックをしてくれた。
「うん、これなら大丈夫だね」
「また何でも声掛けてください」
「日比野さん、僕とあんまり歳変らないし、気を使わなくてもいいよ」
曽根さんは、アイドル系の可愛い笑顔で、嬉しい言葉を掛けてくれた。
「はいっ」
「日比野さん、今度お礼にさ、ご飯食べに行かない?」
「えっ、いいんですか?嬉しいです!」
「じゃあ、今週金曜日、お互い早く帰れそうなら行こうか。無理しないでね」

入社してから、忙しくしているコンサル部の人達とは挨拶するくらいだし、佐野さん以外の人とご飯を食べに行くことが無かったから、凄く嬉しかった。

「日比野さん、ちょっと来て」
社長の冷たい声にびくっとして、社長室を見ると、ドアを開けたままの社長が立っていた。
「何かしたの?」
曽根さんが私の耳元でささやく
「いえ、何も・・・」
「早く、来てくれる?」
「曽根さん、すみません」
私は慌てて社長室へ向かった。
「この資料とこの資料、悪いけど、10部セットして欲しいんだ」
「はい、直ぐにお持ちします」
「あぁ」
社長、機嫌悪いのかなぁ。
確かこの会社の会議、まだ日にちの余裕はあるのに。
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