愛するあなたへ〜blue roseを私にください
「嬉しいんです。私でも皆さんの力になれると思うと。だからやらせてください。覚えたいんです。それに、直接的ではないですけど、お客様のためになることに、少しでも役立つなら何でもやりたいです。勿論、自分の仕事もきちんとしますので」
社長はしばらく黙っていたけど
「わかったよ。まぁ、忙しくなった時、手伝って貰えると助かるしね。ありがとう」
社長は優しく微笑んでくれた。
社長の笑顔に胸がきゅんとなる。
「はい」
恥ずかしさを隠すために、私はパソコンに向かって淡々と入力を進めた。

小道さんにあんな事言っちゃったけど、あんな笑顔で微笑まれたら嬉しいし、もっと声を掛けて欲しいと思ってしまうよ。

ふと佐野さんを見ると、社長の後ろ姿を見て、にやっと笑った後、自分のパソコンに向かって仕事を始めていた。
何だか意味ありげだったけど、曽根さんの仕事に取りかかった。

「曽根さん、出来ましたよ。確認していただけますか?」
「わっ、ありがとね!ほんと助かった」
すると、曽根さんの携帯が鳴って
「ごめん、後で席に行くよ」
私は席に戻って、違う仕事に手をつけた。
< 10 / 110 >

この作品をシェア

pagetop