愛するあなたへ〜blue roseを私にください
「はぁーっ、badタイミングなのかgoodタイミングなのか・・・」
そう言いながら、テーブルの上の携帯を取った。
「奈織ちゃん、ごめん。うん・・・今から?俺はいいけど、そっちはいいの?・・・ありがとう。彼氏にも宜しくね。待ってるよ」
翔さんは電話を切って、私を起こした。
「今から奈織ちゃんと、彼氏が来てくれるようだから」
私の額にそっと口づけをして、デスクに向かい、パソコンを見始めた。
私は少し前に別れを告げた人に、顔を赤くして、ときめいてしまっていた。

30分すると、翔さんの電話が鳴った。
「分かった。直ぐに行くよ」
緑川さんが入り口に着いたと連絡があり、私は受付まで行って、緑川さんと彼氏さんを中へ案内した。
「翔さん、遅くなってしまって」
「とんでもないよ。本当に無茶なこと言って悪いね」
「こちら、私の彼氏の赤星くん。こちらが、私の先輩で、社長の翔さんと彼女の日比野さん」
「初めまして、赤星です」
赤星さんは、とても爽やかな人だった。

この狭い空間に、こんな絵になる人ばかり集まるなんて、場違いなんじゃないかと思った。
「赤星さん、時間が無くて申し訳ないのですが、どうしても彼女を手放したくない。お力添えいただけますか?」
「もちろんです。それでも、会社のことですから、私がどこまで出来るかは分かりませんが、全力で恋の応援はさせていただきますよ」
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