愛するあなたへ〜blue roseを私にください
「あぁ、近々行くことになるよ」
羽瀬社長は、微笑んで帰って行った。

その後直ぐに、明子さんが傍に寄って来て、翔さんが私の前に立ち、明子さんを睨みつけた。
「何の用だ」
「そんなに構えなくても、何もしないわよ。翔が私じゃなくて彼女を選んだ理由がわかったわ」
そう言って、私に話しかけた。
「私の負けよ、失礼なこと言ってごめんなさいね」
散々酷いことを言っていた明子さんが、私に頭を下げた。
「でも、次あれば、翔羽に譲らないから」
こういう所は、やっぱり変わらない。
明子さんは翔さんに向かって宣戦布告し、帰って行った。

「じゃあ、私達もこれで失礼するよ」
「翔さん、日比野さん、また、事務所行きますね」
「社長、私も先に会社に戻りますね」
「青羽社長、奈織ちゃん、本当に有難うございます。佐野さんもお疲れ様」
「皆さんのお陰です。また改めてご挨拶にお伺いします。有難うございました」
青羽社長と緑川さんと佐野さんに、翔さんと感謝の気持ちを伝えた。

「あの、翔羽コンサルティングの日比野さんでしたよね?」
とても品性のある1人の男性に声を掛けられた。
「はい、そうです」
「突然失礼しました。私、ナガトミワールドの総務部長の永富と申します」
その男性は、私と翔さんに名刺を差し出した。
< 79 / 110 >

この作品をシェア

pagetop