愛するあなたへ〜blue roseを私にください
「私の会社はイベント会社でして、今、総務部長と経営にも携わっています。今日、打ち合わせをしていた担当者の方が、一緒にどうかと声を掛けてくださって、傍聴していました。先ほどのお話を聞いて、とても刺激を受けましたよ。是非、また詳しくお話できたらと思いまして」
「そうでしたか。私は翔羽コンサルティングの羽瀬と申します。是非、宜しくお願いします。」
翔さんは名刺を永富さんという人に渡した。

「日比野さん、とても心に響くお話でしたよ。私の部下は新入社員で、同じように人前で発表することがありましてね。何事にも一生懸命なところが良く似ていて、重なりましたよ」
「ありがとうございます。私なんかより、もっと素晴らしい人達がいますので、当社を宜しくお願いします」
「それは楽しみですね。では、失礼します」

翔さんのような人が世の中にはいるものなんだと、じっと永富さんの背中を見送っていると
「春花、まさか今の永富さんのこと、格好いいとか思ってないよね」
「ま、まさか」
「その言葉怪しいな」
「ち、違いますよ。私は翔さんだけですから」
「ははっ、ほんと、可愛い」
恥ずかしくなって、顔が赤くなった。

翔さんが私の耳元に顔を近づけ
「今日は頑張ったね。ご褒美に今日の夜は、たっぷりと時間をかけて愛するから。朝まで寝かさないよ」
耳元でささやいた後、笑いながら頭をぽんぽんとされて、私は更に、顔を真っ赤にして体中が熱くなった。
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