いつかキミが消えたとしても
一輪の花が空中に浮き上がった。


それは舞の目の前をくるりと一回転し、そして髪飾りのようにつけられた。


「ふふっ。なにしてるのよ青っち」


声をかけると見えない両手に後から抱きしめられた。


青っちの匂いがして舞は大きく空気を吸い込む。


「会いたかった舞」


そんな声が後方から聞こえてくる。


聞き慣れた青っちの声だ。


「毎日来てるでしょう?」


舞は体を反転させて答える。


そしてなにもない空間に両手を伸ばした。


指先に肌の感触が触れる。


腹部あたりだろうか?


以前よりも筋肉がついて割れているのがわかった。


それで舞はまた笑ってしまった。


「透明病患者で青っちほど元気な患者はいないよ」


そう言い、見えない体に抱きついたのだった。



END
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