この恋は、『悪』くない。

ふー…

緊張する



「ごめん
お待たせー
食べよっか…」



自然だった???



たいしたことない女優さんの

台詞みたいな言い方



平常心

平常心



「沙和のシチューも盛ったよ」



「あ、ありがと…」



シチューを目の前にしたら

昨日のことを思い出した



バイクで公園に行って

帰って来て

一緒にシチュー食べた



そしたら

樽崎くんが…



「「いただきます」」



うん

今日も

昨日と同じ



一風

一見



だけど

ドキドキする



まだ

目見れない



同じシチューなのに

違う味に感じる



昨日食べた時は

まだ付き合ってなかった



「シチュー、昨日と味違うかな?」



「んー…美味いよ
シチューも2日目の方が
美味くなるんじゃね?」



私は

味がしないけど…



「沙和も餃子食べな」



「うん…」



「どーした?
餃子嫌いだっけ?
ここの餃子、ニンニク強めだけど旨いよ」



「好きだよ…」



あ…



素だった

なにも考えてなかった



好きだよ…



「餃子、好きだよ」



わざわざ言い直してみた



きっと

樽崎くんは

なんとも思ってない



餃子買ってくるとか

どぉなのかな?



ニオイとか気にならない?



初日だし

そんなこと、何もないか…



そんなことって?



「ふたりで食べれば
ニオイ気にならないっしょ」



え、心の声

聞こえた???



< 189 / 276 >

この作品をシェア

pagetop