あの日溺れた海は、
自然とこぼれ落ちる涙に亮は気づくと驚いて目を丸くしたが、包み込むような柔らかい笑顔を向けるとよしよし、とわたしの頭をふわりと撫でた。
「…本当に好きなんだな。俺じゃ勝ち目なしか〜…」
亮はそう空を仰ぎながらつぶやいた。
「本当に、好き。」
だからこそわたしの気持ちを知って欲しい。
「ん、そっか。」
冬の強い風が二人の間の沈黙を誤魔化した。
「…華だって、こんなに近くにいる俺の気持ちに気付いてなかっただろ?だから、気持ちを言うことって大事だと思う。」
完璧に気づいてなかったと言われれば嘘になるかもしれないけど、今は「うん」と素直に答えた。