あの日溺れた海は、
「わたし、藤堂先生のことが好きです。
…ただ、それだけです。じゃあ!」
そう勢いよく言うとほぼ同時に終話ボタンを押してポケットに携帯を滑り込ませた。
…言っちゃった。意味のわからないタイミングで。
ずっと隠してた気持ち。ずっと抑えてた気持ち。
受け止めてくれた、と言うよりは無理矢理押し付けたみたいな形になってしまったけど。
言ってしまえばすっと心が軽くなった、気がした。
そう思うしか今はないんだ。
緊張が一気にほぐれたからか、なぜだかじんわりと目に涙が溜まったが、その涙も冬の風に吹かれてすぐに乾いていった。