あの日溺れた海は、


「でも、ねえ…他の原稿だってされたらたまったもんじゃないし。」



そう悩ましげに呟く彩にわたしも「そう、だよね。」と返すしかなかった。



とういうことでおじいちゃんに報告だけはすることになった。


早速職員室に行っておじいちゃんに、山崎さんに原稿用紙を破かれたこと、暫くはわたしたち部員以外の生徒は入れないでほしいことを伝えた。


おじいちゃんは最初目を丸くして驚いていたが「わかったよ。」と言うとゆっくりと頷いた。


わたしが「すみません。」というと「こちらこそごめんね。まさか山崎さんがそんなことする子だとは思わなくて…。」と申し訳なさそうに眉を下げて謝られた。


そして「また何かあったら教えてね。」と言うおじいちゃんにお礼を言って職員室を後にした。

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