ボトルメール
俺は察した。彰の目の周りが少しだけ赤くなっていた。また泣いたのだ。彰がないていたことをここにいるみんなは多分気づいている。でも、一言もそれについて触れなかった。
俺たちは彰のペースに合わせて朝ごはんを食べ終えた。

「今日ってどこへ連れてってくれるんですか?」
もう少しで家を出ると言うので、その準備をしながらもし濡れたりする場所だったら念の為着替えを持って行ったり、遠くへ行く場合には携帯のモバイルバッテリーを持たなければならない。
「それは着いてからのお楽しみかな」
期待した返事とは違ったが、それはそれで楽しみだと思った。
「わかりました!楽しみにしておきますね!」
彰はと言うと朝のあの出来事がなかったかのように鼻歌を歌いながら準備をしていた。でも、なんで鼻歌を歌っているのかは聞かなかった。
支度が済んだところで駐車場に止まっていた黒いファミリータイプの車に乗り込んだ。中は見た目の二倍位は広かった。
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